「ハトと電線」記念対談 第2回

こんのひよせ × 岡本洋平(Hermann H.&The Pacemakers)「ハトと電線」対談 第2回

初のソロ音源「ハトと電線」を2018年4月1日に発売するこんのひよせと、その制作に参加した、自身のバンド・Hermann H.&The Pacemakersの再始動も目前の岡本洋平。

ひよせのデモ曲をアレンジした岡本が音楽制作への想いを語り、話はついにタイトルの「鳩と電線」へ。

レコーディングを振り返る対談の第2回です。

第2回【愛とはそんなもんだ】 

 

(話は曲のアレンジについて前回から続いています)

 

岡本  まあでもそれもさ、根本が無ければ閃かないことだから

 

ひよせ 元の

 

岡本  そう。だから俺はそのなんだっけ「鳩と電線」?

 

ひよせ はい

 

岡本  という曲、も聴いた時に「あ、こりゃすごくいい曲だな」と

 

ひよせ ありがとう、なんかすっごく地味な曲だと思ってたから

(※注 「ハトと電線」はもともと「素晴らしい日々」というタイトルで4年前くらいからライブで歌っていた曲。今回岡本アレンジで録音)

まあ地味っていうかシンプル、だけどまあ自分の中ですごく地味~だな~と思ってたから「いいね」って言ってもらえてすごいうれしかったんだよね

なんか歌詞的にはけっこう好きで、だけど曲的には地味だから

 

岡本  まあまあ

地味か派手かってのはね、どんだけ派手にするかの話なだけだから

 

ひよせ なんか意外と「タイトルトラック」になってしまった、今回あれが(笑)

鳩と電線…まさかの(笑)

 

岡本  なんだっけ、あの歌詞の中で…「東へ向かう…」?

 

ひよせ 「東へ向かってく列車と西へ歩き出す光~♪」

 

岡本  そこが、やっぱすごく良いわけで

 

ひよせ あれ、でもどうしてその歌詞を思いついたのか全然覚えてないんだけど…

 

岡本  あ、そんなことは分かんないよ

 

ひよせ 東と西とね、どういう意味とか…

 

岡本  北でも南でも良かったわけじゃん

 

ひよせ たぶんね、でも正反対っていうことなんだよね

 

岡本  言葉尻とか、いろんな事を考えると

けどね、いいんだよ、「東と西」って太陽を想像出来るじゃん

 

ひよせ おお

 

岡本  だって太陽が東から昇って西に沈むでしょ

 

ひよせ そうね

 

岡本  だからそれがすごいいいなと思ったんだよね

 

ひよせ 考えたことなかったわ(笑)

 

岡本  いいの、考えなくて、作るひとは(笑)

でもそうやって聴いたひとが思うじゃん

 

ひよせ 今度からそれ言おう

「太陽を想像したんです」って言おう(笑)

 

岡本洋平 (Hermann H.&The Pacemakers)

 

岡本  でもあれも決してさ、晴れた昼間の歌な気はしないのね

 

ひよせ そうだね

 

岡本  だからその時間軸とか、「主人公は男、女?」って聞いたと思うんだけど

 

ひよせ あ、それだ!それ聞かれたのか。あれ?

 

岡本  それ聞いた、うん

で、どっちでもないんだよね、みたいなこと言っていて

だから俺はなんかそのサビを、俺の声だけど、ダブルにする(※ユニゾンで歌うこと。「ハトと電線」のサビはひよせと岡本のダブルVo)のはある意味、えっと…なんか、性別感を消すと言うか。

で、それがたとえばじゃあ恋人同士なのか友達同士なのか、っていうようなことも聞いたと思うんだけど、それが両方にハマるような

 

ひよせ もともと歌詞、一人称が「僕」なんだよね

 

岡本   そうなの、だからそれがなんか女性目線から見た「僕」なのか、ただ女性が自分のこと「僕」って言ってるのか、っていうことが

「これはどっちなんだ?」と思って

 

ひよせ あれはそう、どうにでもとれるような感じで…

 

岡本  だからなんか男とのユニゾンになればすごくなんかこう…ホットだ、っていう(笑)

 

ひよせ ホットホット!(笑)あれはホットだった

あとね、あれね(洋平くんが)歌ってるときにね、こっちで聴いててさ、あのエンジニアの若い子、録ってたじゃん

若い子とわたしとふたりで聴いててさあ「すごいいいねえ…」って聴いてたんだよあれ

 

岡本  (笑)

 

ひよせ 「この声すごくない?」とか言って

「いいっすねー!いい声っすねー!やばいっすね!」とか言って

 

岡本  すごいかどうかは分かんないけど

 

ひよせ 聴いてたの

 

岡本  かなり地味ーなとこで歌ってるけど

 

ひよせ まあキー的にね

でもね、やっぱり声の良さが出るよねああいうのね 

実はわたしマイナスワン(カラオケ)もらってるから

あそこだけさ、洋平くんだけ歌ってて、わたしの声が無いやつ

 

岡本  ちゃんと歌ってるか分かんない

 

ひよせ 歌ってる歌ってる(笑)あれいいよ〜

 

岡本  そんなに何度も録ってないし

 

ひよせ ちょうどメロディを覚えたぐらいで歌って、もうすぐ終わりだったもんね

でもやっぱり声の良さが強いから 

 

岡本  そう、だからあれも、シンセって思ったのは、あーいうぶよぶよした…なんつーの、

なんかこう…しょっぱくしたくないってゆうか

 

こんのひよせ(と小さく岡本)

 

ひよせ しょっぱく…?

 

岡本  なんつーの、こう、

 

ひよせ しょっぱく、とは

 

岡本  あの…

 

ひよせ 「さみしい」みたいなこと?

 

岡本  「さみしい」とか、「僕らはこれから離ればなれになるんだね」みたいなニュアンスは俺の中では無くて、

 

ひよせ うんうん

あれは「さみしさ」「かなしさ」は置いといて、の…

 

岡本  いつか俺たちなんとかなんでしょ、っていうようなその前向きさ、みたいのがあのシンセだと思ったんだよね

 

ひよせ あれね… あの感じもなかなか出てくるもんじゃないよ

 

岡本  ああいうのは得意技って言えば得意技なんだけど、まあバンドでもよく使う…シンセの使い方っていうのは

どちらにしてもさ、まあ曲が良かったからいいんだよ(笑)

 

ひよせ なにその…(笑)まとめた、みたいな 

 

岡本  いや俺あれで良くなかったらやらなかったもん

 

ひよせ まあそりゃそうだ

わたしお願いした時に、全然断られてオッケーっていうかやってくれたらうれしいな、くらいに思ってたから

 

岡本  俺もね、ちょっとスタジオにいってチョロッチョロッと弾くくらいなもんなのかなと…

 

ひよせ わたしも最初ね、そう思ってたの!

ほんとに「鳩と電線」に「ちょっとかぶせで上物でウクレレとか入れてください〜」ぐらいの感じで思ってたんだけど。

それでもじゅうぶんうれしいなと思っていたんだけど

 

岡本  まあでも思いついちゃったからしょうがないんだよね

 

ひよせ (笑)

 

こんのひよせ × 岡本洋平

江ノ島「文佐食堂」にて

 

岡本  多分最初に「鳩と電線」を聴かしてもらった時に俺はたぶん入院してたんだよね

で、病院にいたんだよね(※岡本は2016年9月〜下咽頭癌の治療のため入院していた)

 

ひよせ そうだっけ

 

岡本  と思うよ

それで聴いてたんだ、病室で聴いてて。いい曲だなーと思って

そしたらその自分の部屋のベランダを鳩がうろうろしてて

 

ひよせ うふふふ

 

岡本  そう思ってたの

そうなったらさ、やっぱりちゃんと良いものにしたいじゃん

なんか…良くなかったらダメよ(笑)

 

ひよせ ふへへへ(笑) 

 

岡本  そりゃ誰だってそう、すごく有名なひとだろうがなんだろうが

 

ひよせ ありがたいねえ

 

岡本  なんか伝わるもんがなければやっぱ一緒に仕事をすることは出来ないわけで

 

ひよせ うれしいね~

なんかそういうあたりミュージシャンの性(さが)だよね、

「思いついちゃったらしょうがない」とか、「やるからには良いものにしたくなっちゃう」みたいのは、しょうがないんだろうね

 

岡本  なんかね、自分がこう、演奏してるのが想像ついたし

まあ結局ちょっとまだ出来てないけど「ライブやってみよう」って俺からも言ったし、

関係なくてさ、その「規模」なんて

 

ひよせ えらいなあ

 

岡本  え??(笑)

 

ひよせ えらいねえ(笑)

ちゃんとした(メジャーな)ひとなのにねえ、ありがたいですよ

 

岡本  実際やっぱり思った通りにって言ったら失礼になるかもしれないけど、自分が想像した通りに良い曲になったから、やっぱ良い曲だったんだな、っていう(笑)

 

ひよせ (笑)

 


 ひよせとのメッセージのやり取りの中で岡本は

 

『鳩にとっちゃ掴まるところだからな、電線

 それがみんなをつないでる、って素敵なの

 電車も電線なきゃ走らねえしな!』

 

と伝え、

「本当はあげたくないくらいのタイトルだ(笑)」

とつけ加えた

 

後日ひよせの1st Albumのタイトルが「ハトと電線」に決まったのを知ってのやりとりが次のスクリーンショットである

 

 

話はまとまった…と思いきや

なんと、話は続く?第3回へ!